指導監査救済センター新聞

団野法律事務所

介護行政は,行政調査と称して様々な方法で,処分をするための情報を収集しようとする。行政機関が,通信内容を検査することができるかが問題となる事件を紹介しよう。憲法21条2項は,通信の秘密はこれを侵害してはならないと規定し,公権力による通信の秘密の侵害を禁止する。

裁判でむずかしいのが敵性証人に対する尋問だ。 敵正証人とは,相手方当事者がだしてきた証人のこと。つまり敵方の証人だから敵正証人という。敵性証人に対する尋問のむずかしい原因は,本当のことをいわないからだ。およそ証人は,自分が体験した事実を正直に陳述する。正直とは記憶のとおりにという意味で,「そうです」とか「ちがいます」とか,ときには自分の記憶だと思いこんでいるとおりにいう。

介護事業所をめぐる改革が必要だが,法令の改正に,事業者の現場の意見が反映されていない。2000年にスタートした介護保険事業は,介護を必要とする高齢者が急増し,2025年団塊の世代全員が75歳に到達する。社会保障費の増加は高齢者に応分の負担を求めるようになるし,年間10兆円を超える給付を受けている事業者への締め付けも強まる。

東京高裁は,令和3年12月,法人の介護事業所が指定取消処分を受けたとき,法人だけではなく,法人の役員も処分取消訴訟が提起できることを認める判決をしました。

これまで指定取り消し処分をうけた事業者から依頼を受けて,処分取消訴訟をおこなってきました。 一昨年,残念ながら最高裁で2件敗訴しましたが,振り返ってみると,行政調査のときから真摯に争うことが肝心だと思います。

行政処分や指導を受けるか、受けないか。それは調査の段階がとても重要です。なぜなら、実地指導や監査というのは,行政が行う情報収集活動で,行政処分や指導をおこなうには,この情報収集が欠かせないからです。しかし,多くの方がご存じないように,その段階で将来の処分の有無・内容はほぼ決められてしまいます。