6月号 日本版DBSの開始 

2026年06月01日

日本版DBSの開始

2024年12月に「日本版DBS(こども性暴力防止法)」が成立し、子どもたちを性犯罪から守るための新たな仕組みが導入されます。日本版DBSは、子どもと接する職業に就く人の性犯罪歴を確認し、性犯罪のリスクがある人が子どもに関わる業務に従事することを未然に防ぐ制度です。

放課後等デイサービスにおいては、新規採用者だけでなく、既存の職員も対象となります。例えば、これまで事務員として勤務していた職員が児童指導員へ配置転換される場合も対象に含まれます。

制度の運用開始は2026年12月25日です。新規採用者については同日から確認が必要となりますが、既に勤務している職員については1~3年間の経過措置期間が設けられています。また、一度確認を行った後も、5年ごとに定期的な確認が実施されます。

対象となるのは子どもを対象とする事業です。学校や保育所など確認が義務付けられる事業者と、学習塾など任意で利用できる事業者に分かれ、認定を受けた事業者には国から認定マークが交付されます。

事務員や送迎車の運転者など、子どもと直接接しない職員もいるため、どこまでを対象とするかが問題となります。この点については、「支配性」や「継続性」が判断基準となります。

DBSに登録される情報

事業者が確認できる情報としては、主に次の内容が登録されます。

  • 氏名、住所、生年月日、性別など本人特定に関する情報

  • 特定犯罪事実を確認した日

  • 特定犯罪事実への該当の有無

対象となる犯罪

対象となるのは主に性犯罪です。

刑法上の犯罪としては、

  • 不同意性交等

  • 不同意わいせつ

  • これらの致死傷罪

などがあります。

また、条例違反として、

  • 痴漢

  • 盗撮

  • 淫行

などが対象となります。

さらに特別法では、

  • 児童買春

  • 児童買春の周旋・勧誘

  • 児童ポルノの所持、提供、製造

  • 児童に淫行をさせる行為

などが対象です。

一方で、道路交通法違反や窃盗など、性的な犯罪以外は対象となりません。

事業者が確認できる内容

事業者が閲覧できる情報は、

  • 申請番号

  • 確認日

  • 特定犯罪事実への該当の有無

  • 拘禁刑、執行猶予、罰金刑の別

  • 裁判確定日

などです。

そのため、具体的にどの性犯罪で有罪となったのかまでは確認できない仕組みとなっています。

不適切な行為への対応

ガイドラインでは、犯罪に至らない「不適切な行為」についても指導等の対象とされています。

職員による児童への不適切な行為が確認された場合、初回かつ軽微なものであれば、指導や研修受講命令などの段階的な対応が行われます。

前科の消滅とDBS登録期間

注意が必要なのは、刑法上の「刑の消滅」とDBSの登録期間は異なることです。

例えば、不同意性交等罪については、一定期間の経過により刑法上は刑が消滅する場合があります。しかし、DBSへの登録期間は刑の終了から20年間とされており、前科が法律上消滅していてもDBS上の記録は残ります。

執行猶予や不起訴の場合

執行猶予付き判決となった場合でも、DBSには記録され、事業者による照会の対象となります。

一方で、不起訴処分となった場合は犯罪歴として登録されません。そのため、逮捕・勾留された場合でも不起訴となれば、事業者は照会できません。逮捕されたものの勾留されなかった場合も同様です。

性犯罪歴が確認された場合

新規採用者に性犯罪歴が確認された場合、特に新卒者や内定者については、内定取消しとなる可能性があります。

募集要項や誓約書において「特定性犯罪の前科がないこと」を申告していたにもかかわらず虚偽申告をしていた場合には、重大な経歴詐称と評価される可能性があります。

一方、既に雇用されている職員については、配置転換で対応できるかどうかを含め、個別の事情に応じて判断されることになるでしょう。

誤った情報が登録されていた場合

事業者が犯罪歴照会を行う場合、本人には事前通知がなされます。

本人は通知を受けた後、2週間以内であれば、こども家庭庁に対して確認手続の中止を求めることができます。

例えば、本人が内定辞退や退職を選択し、中止を申し出た場合には、事業者への犯罪事実確認書の交付は保留されます。

また、極めてまれではありますが、犯罪事実確認書の内容に誤りがあった場合には、訂正請求を行うことができる仕組みも整備されています。

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